10年2月7日鑑賞。
10年38本目。
昭和31年作の力道山映画。
ようするにメキシコでサントやマスカラスと
同じように日本のヒーローだった力道山が
「表の顔」で俳優に挑戦している映画。
物語は、子供達の人気者力道山の控室から、
ある日、貫一少年が小型のチャンピオン・ベルトを
盗み出すところから始まる。だがその目的が
小児麻痺の友達晃に見せてやるためと判り、
力道山は早速、晃を見舞い元気づける。
だが、姉の悦子はひがみから彼に喰って掛る。
その頃、彦根市体育館落成記念に力道山は
大橋代議士に招かれたが、主催する赤岩興業の
社長敬介に不快を感じ中座してしまう。
帰途、暴漢に襲われた米川老人を助け出す。
老人は娘康子と共に小児麻痺学校の愛光学院を
経営していたが赤岩や大橋らは、学院に出される
市の補助金を使い込んでおり、近づく選挙のため、
穴埋めに苦心していた。
力道山は試合を終えると直ぐ学校を訪れ、
テレビとファイトマネーを全部寄附し皆を
感激させた。だがアメリカから強敵レッド・ドラゴン
を迎えての試合は引分け、大阪で第二戦を約束するが
赤岩達は、力道山が力士時代からの恩人大橋の
口ききでこの興行を引受ける。悦子からの謝罪状
に喜んで見舞に赴いた力道山は、彼に歩み寄ろう
と努める晃の姿に思わずかけ寄って抱き上げる。
力道山は悦子と晃を大阪の試合に招待。
だが帰途、康子から大橋らの悪事を聞いて怒り、
ドラゴンに勝ったら当日の収入を全部くれと
赤岩にいう。大橋も悪事露見で幹事長から立候補
辞退を申込まれ、絶体絶命。ドラゴンに巨額の報酬
を約束する一方、横浜のキャバレーに力道山を
呼び寄せ、子分に襲わせる。力道山は一味を叩き
伏せるが左腕に負傷してしまう....
まさかと思うが、この7年後に本当に暴漢
に刺されて自分が亡くなるなんて力道山本人も
つゆほども思っていなかったに違いない。
史実と照らし合わせてみるとちょっと
複雑な気分になる...。
また、力道山が赤岩敬介に劇中でプロレスを
ショーだと言われ激高する場面があるのだが、
ここもどうせなら「ショーのどこが悪い」と
いってくれていたら歴史も変わっていた
のになあ...と思ったりもした。
基本的にレスラーが演技をしている場合、
大概のケースは大根であり、この映画に関しても
その例に漏れない。ぶっちゃけていうと力道山の
演技はそんなにうまくない。
でも猪木さんの何十倍もうまいということは
天性のショーマンである素質はあったんだと思う。
試合もたっぷり時間を割いて収録されている
のだが、相手役のレスラー(ラッキー.シモノビッチ)は、
手の合う相手だったようで、力道山からも信頼
されていたようである。事実力道山映画には、
本作以外にもう一本共演しているし、
あの力道山が受けに回るシーンも多々あって、
実際にシモノビッチが得意技にしていた
ドロップキックをたっぷりと見せてくれている。
たぶんカットの長さから実際の試合に近い
スタイルで撮られていたか、実際の試合を
そのまま使ったかのどちらかだと思うが、
攻めのイメージが強い力道山の受けというのは
たぶんはじめてみたかもしれない。
そして試合の組み立ても空手チョップとか
ヘッドバットをアクセントに使って、
フィニッシュにはボストンクラブを使っていたり
とかしているのだが、なんと本作中では
空中戦も披露している(トペとかそう言うもの
ではないけど)。
ということで貴重な映像資料としてみる分には
この上なく楽しめる映画であることには
間違いない。日本初のハリウッドスター.早川雪洲
とのやりとりも堂に入っていて、貫禄負けして
いないのはさすがとしか言いようがない。
なんだかんだいってもこの人抜きに日本の
プロレスは語る事が出来ないのだから、
仕方ない^^
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